国立天文台科学研究部

科学研究部の院生の渡辺くりあさんが、2024/6/3-6/7に東北大学で行われた国際研究会「ELT Science in Light of JWST workshop」にてポスター賞を受賞しました。

研究会HPはhttps://sites.google.com/view/eltsjwst/home

科学研究部の行方宏介特別客員研究員、生駒大洋教授らが、イギリスの民間企業Blue Skies Space Ltd.の超小型紫外線衛星「MAUVE」プロジェクトに参加することが決定しました。MAUVEは、イギリスの民間企業Blue Skies Space社が2025年に打ち上げられる予定で、研究機関や個々の研究者がメンバーシップを通じて参加できる新しい形式を採用しています。自然科学研究機構とBlue Skies Space Ltd.の合意契約は4月22日に締結され、行方宏介特別客員研究員と生駒大洋教授らは観測計画の立案や科学成果の創出を担当します。

MAUVEは、太陽のような恒星の表面爆発である恒星フレアを紫外線(200-700ナノメートル)で観測することを目的としています。他の紫外線衛星とは異なり、系外惑星を持つ恒星を重点的に観測する独自のアプローチを取ることで、これまでにない量の恒星フレアデータを得ることが期待されています。このデータは、可視光から紫外線にかけての恒星フレアの放射機構の解明に寄与することを目指しています。

Copyright: Blue Skies Space Ltd.

恒星の紫外線放射は、周囲の系外惑星の大気の化学進化にも大きな影響を及ぼします。この研究により、系外惑星の「宇宙天気予報」をより精度良く行うことが可能になり、今後 TMT や Ariel で系外惑星大気を調べる際の重要な情報を提供すると期待されています。

Copyright: Blue Skies Space Ltd.

なお、本研究は、大学共同利用機関法人自然科学研究機構OPEN MIX LAB事業(OML022403)の助成を受けたものです。

Peter Behroozi特任准教授が2023年高被引用論文著者に選出されました。
詳細は以下のURLをご覧ください。
クラリベイト・アナリティクス社(英語)https://clarivate.com/highly-cited-researchers/

浜名崇助教が欧文研究報告論文賞を受賞されました。
詳細は以下のURLをご覧ください。
日本天文学会 欧文研究報告論文賞 https://www.asj.or.jp/jp/activities/prize/pasj/recipients/

科学研究部に所属する柏野大地特任助教(国立天文台フェロー)が、前所属の名古屋大学高等研究院在籍時に主導した研究成果が、Physics World誌(英国物理学会出版局)によって物理学における2023年の10大ブレイクスルーとして選ばれました。この研究ではEIGERと名付けられた国際共同プロジェクトのもとで、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)によって得られた遠方銀河の観測データを用いて、宇宙開闢から約10億年経過したころに、古代の銀河から放射された光が、宇宙空間を満たす中性水素ガスの再電離を引き起こしている証拠を捉えることに成功しました。今年度7月に国立天文台科学研究部に転籍した柏野特任助教は、現在、JWSTによって新たに得られた観測データを加えて、宇宙の再電離における銀河の役割についてさらに詳細な研究を行っています。

リンク:https://physicsworld.com/a/physics-world-reveals-its-top-10-breakthroughs-of-the-year-for-2023/

今年の 「三鷹・星と宇宙の日2023」 では,科学研究部は ”ミニ講演会”を開催します。皆様のご参加をお待ちしています。

開催概要


*開催日時*
2023年10月28日(土)

*場所*
屋外テント(南棟入口正面付近)

ミニ講演会


場所:屋外テント(南棟入口正面付近)
定員:なし
参加方法:その場で自由に参加できます。

10:20~10:40Maria Dainotti「ガンマ線バーストで宇宙の中を探る」(英語+日本語通訳)
10:55~11:15郡和範「宇宙のはじまりとダークマター・ダークエネルギー・物質の起源」
12:40~13:00杉山尚徳「宇宙の国勢調査 — すばる望遠鏡で探る宇宙の歴史 –」
15:20~15:40奥谷彩香「地球は宇宙で特別な存在か?–太陽系外惑星の世界を覗く–」
15:50~16:10高橋亘「『お星さま』の科学:恒星物理学の最前線」

関連リンク


● 三鷹・星と宇宙の日 2023

● 科学研究部

科学研究部の院生の吉田雄城さんと土井聖明さんが2023年度の日本惑星科学会で優秀発表賞を受賞しました。
詳しくは以下をご覧ください。

日本惑星科学会 2023年度最優秀発表賞 選考の結果と講評:https://www.wakusei.jp/news/prize/bestpr-2023/review-presen.html

国立天文台では、定期的に外部の有識者に個別の分野・組織ごとに、その研究・開発・業務等の遂行と成果に関して評価をしていただいています。2022年度に行われた科学研究部の国際外部評価の報告書がリリースされました。

詳しくは下記をご覧ください。

国立天文台:https://www.nao.ac.jp/about-naoj/reports/external-review.html

科学研究部の院生の吉田有宏さんと吉田雄城さんが日本地球惑星科学連合2023年大会で学生優秀発表賞を
受賞しました。

詳しくは以下をご覧ください。

日本地球惑星科学連合2023年大会 学生優秀発表賞受賞者:https://www.jpgu.org/ospa/2023meeting/

東京大学理学系研究科天文学専攻および国立天文台科学研究部で博士号を取得した辰馬未沙子さん(現所属: 東京工業大学 日本学術振興会特別研究員PD)が、2022年国際天文学連合博士号賞(2022 IAU PhD Prize)の次点(honourable mention)を受賞しました。
IAU PhD Prizeは2016年から創設され、毎年、前年に博士論文の審査が行われた世界中の応募者の中から、国際天文学連合の9つの部門において最も優れた博士論文に与えられる賞です。
また、2021年からはいくつかの部門において次点が選出されるようになりました。
辰馬さんは、2021年12月16日から2022年12月15日の間に博士論文の審査が行われた応募者の中から、Division F Planetary Systems and Bioastronomy (惑星系・生物天文学)の分野において次点を受賞しました。
博士論文のタイトルは“Material Strength of Dust Aggregates in Planet Formation” (惑星形成におけるダスト集合体の物質強度)で、惑星のもととなる固体微粒子(ダスト)の集合体としての強度をシミュレーションによって求め、理論的考察に基づいてモデル化し、それを彗星や小惑星などの太陽系小天体の探査結果と比較することで、惑星形成過程の解明に取り組んだ博士論文です。

辰馬さんのコメント:
今回、このような国際的に栄誉ある賞をいただくことができ、大変嬉しく思います。
共同研究者である片岡章雅さん(国立天文台)、田中秀和さん(東北大学)、奥住聡さん(東京工業大学)、Tristan Guillotさん(コートダジュール天文台)に深く感謝申し上げます。
今後も「ダスト集合体の物質強度」という私独自の視点から、惑星形成過程を明らかにしていきたいです。
(写真は博士号取得時の2022年3月のものです)

IAUのウェブページ: https://www.iau.org/news/announcements/detail/ann23019/
辰馬さんの個人ページ: https://mtatsuuma.github.io/

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