国立天文台科学研究部の中島王彦特任助教や大内正己教授、張也弛特別研究員らは、東京大学の研究者と共に、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の分光観測データを使い、134億光年かなたの宇宙に明るく輝く2つの銀河の正確な距離を測定することに成功しました(図1)。134億-135億光年かなたの天体の観測史上最遠方の宇宙では、これまでに3個の銀河が確認されていましたが、理論予測と矛盾しているのかどうかはわかっていませんでした。今回新たに2個の銀河が確認されたことで、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡打ち上げ前に出版されたどの理論予測と比べても予想以上に銀河の数が多く、初期の宇宙では短い時間で次々と星が誕生していることがわかりました。この結果は初代銀河を含む宇宙初期の銀河の形成過程が、従来考えられていた理論とは異なる可能性を示しています。
詳しくは、以下をご覧ください。
東京大学宇宙線研究所ウェブサイト
[日] https://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/news/14594/
[英]https://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/en/news/14595/
この研究成果は、「 Pure Spectroscopic Constraints on UV Luminosity Functions and Cosmic Star Formation History From 25 Galaxies at zspec=8.61-13.20 Confirmed with JWST/NIRSpec」として、米国の天体物理学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル」に2023年12月22日付で掲載されました。
著者: 播金優一, 中島王彦, 大内正己, 梅田滉也, 磯部優樹, 小野宜昭, 徐弈, 張也弛
DOI: 10.3847/1538-4357/ad0b7e
URL: https://iopscience.iop.org/article/10.3847/1538-4357/ad0b7e