国立天文台の中島王彦特任助教をはじめとする研究チームは、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の大規模観測データを用い、宇宙誕生から5億年後にあたる、133億年前の宇宙まで遡り、酸素の存在比(*)を調べました。その結果、宇宙の最初の5〜7億年(131-133億年前)にある銀河の中で、酸素が急激に増えたことを裏付ける証拠を初めて得ることができました。地球や生命に欠かせない酸素が、宇宙の歴史の中でどのように作られてきたのかを明らかにする上で、重要な成果です。
詳しくは、以下をご覧ください。
東京大学宇宙線研究所ウェブサイト
[日] https://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/news/14329/
[英]https://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/en/news/14330/
NAOJウェブサイト
[日]https://www.nao.ac.jp/news/science/2023/20231110-dos.html
[英]https://www.nao.ac.jp/en/news/science/2023/20231110-dos.html
この研究成果は、Kimihiko Nakajimaらによる論文「JWST Census for the Mass-Metallicity Star Formation Relations at z = 4-10 with Self-consistent Flux Calibration and Proper Metallicity Calibrators」として、米国の天体物理学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル・サプリメントシリーズ」に2023年11月13日付で掲載されます。
著者: 中島王彦, 大内正己, 磯部優樹, 播金優一, ZHANG Yechi, 小野宜昭, 梅田滉也, 大栗真宗
DOI: 10.3847/1538-4365/acd556
URL: https://iopscience.iop.org/article/10.3847/1538-4365/acd556
(*) 酸素の存在比は、水素Hに対する酸素Oの個数比(O/H)を意味します。ここで水素は、宇宙誕生時から存在していた元素であるため、基準に使われています。