東京大学/国立天文台の大学院生 森井嘉穂氏、国立天文台のパトリシオ・サヌエーサ特任助教、中村文隆准教授らの国際研究チームは、アルマ望遠鏡を用いて、太陽よりも8倍以上の質量をもつ星、大質量星が誕生すると期待される領域でこれまでにないほど多くの”星の種”を発見しました。このような統計的に有意なサンプルを用いることで、天文学の未解決問題の一つである、大質量星がどのようにできるのかを議論することが可能になりました。過去最大のサンプルを注意深く調べることで、雲に埋もれていた星の種の質量や密度、分布などを明らかにしました。従来の小質量星形成モデルでは、星の種は形成される星の質量の2~3倍ほど重い必要がありますが、それとは矛盾して、大質量星の種はガスをさらに集める必要があることが分かりました。これらの結果は、大質量星は小質量星とは異なる星の形成メカニズムが存在することを示唆しています。
この研究成果は Kaho Morii et al. “The ALMA Survey of 70μm Dark High-mass Clumps in Early Stages (ASHES). IX. Physical Properties and Spatial Distribution of Cores in IRDCs ” として、米国の天体物理学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル」に2023年6月20日付で掲載されました。 (doi: 10.3847/1538-4357/acccea)
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国立天文台アルマウェブサイト
[日]https://alma-telescope.jp/news/stellarseeds-202306
[英]https://alma-telescope.jp/en/news/stellarseeds-202306
NAOJウェブサイト
[日]https://www.nao.ac.jp/news/science/2023/20230620-alma.html
[英]https://www.nao.ac.jp/en/news/science/2023/20230620-alma.html