国立天文台、台湾中央研究院、大阪府立大学を中心とする研究グループは30~50 GHzの偏光観測が可能な高感度・広帯域eQ 受信機を新たに開発し、2021年11月25日に 野辺山宇宙電波観測所45m鏡へ搭載、天体からの輝線を検出する事に成功しました(図1参照)。科学研究部からは、中村文隆、川邊良平、谷口琴美の3名が、台湾からはzoomで開発責任者のChau-Ching Chiong氏が設置キャンペーンに参加しました。世界的には、ALMAに同じ周波数帯のBand-1受信機の搭載が進んでいます。eQ受信機はこの帯域では世界で最も広帯域、高感度を実現した受信機です。また、国外で開発された受信機が45m鏡へ搭載されたのは今回が初めてです。
SO/CCS輝線ゼーマン観測による星間磁場測定、high-z銀河からのCO輝線検出、星間化学の推進のサイエンスの推進が期待されています。
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野辺山宇宙電波観測所:https://www.nro.nao.ac.jp/astronomer/NRO-sokuhou/138.html
図 1: eQ受信機のファーストライト:晩期型星RR-AqlのSiOメーザー輝線
図2:45m鏡に設置されたeQ受信機と設置メンバー。朝8時半〜午後3時半まで昼休み1時間とり、作業時間6時間でした。