私たちは、大型望遠鏡を使い、銀河や超大質量ブラックホールの形成過程をはじめとする宇宙の歴史(特に初期の宇宙)を研究しています。すばる望遠鏡などの光赤外線観測を主軸に据えながら、ALMA望遠鏡を含めて使用する装置・望遠鏡は多岐に渡り、波長によらない観測研究を展開しています。以下は、主な研究トピックと使用する観測装置です。
この中で、教師あり・教師なし機械学習をはじめとしたAI技術を用いた新しい研究も展開しています。(例えば3.では、機械学習によってすばる望遠鏡で検出された約100万個の天体の中から1個の初期銀河候補天体を見つけ出すなど。)また、解析的な宇宙論モデルの計算やコンピューター・シミュレーションの結果を観測結果と比較して、観測事実の背景にある物理メカニズムに迫っています。(例えば1.では、解析的な宇宙論モデルとの比較で、観測で得られた宇宙星形成史が宇宙膨張と構造形成で説明されること、2.ではALMA観測で発見された巨大炭素雲には理論予言を超えた強いガス流出が必要であったことなど。)
今後の5年間は、NASAのJWST宇宙望遠鏡による超遠方宇宙観測による宇宙初期の探索、すばる超広視野分光器PFSによる初期宇宙大規模構造による宇宙再電離研究など、より初期の宇宙に迫っていきます。その後は、NASAのWFIRST衛星や超大型望遠鏡TMTとの協調観測により、これらの研究をより大きく展開することを計画しています。